キシリトールの研究(バイオフィルムへの効果)
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2014.04.16 一覧

キシリトールの効果に注目が集まっています。虫歯だけでなく歯周病予防にも効果があることがわかってきました。キシリトールは食品ですので摂取に制限はありません。
今回は虫歯と歯周病の原因であるバイオフィルム(薬の効かない細菌の塊)に対してのキシリトールの効果についての論文を1題紹介致します。

Xylitol’s Impact on Biofilm Formation

バイオフィルム形成におけるキシリトールの影響

バイオフィルム形成の最初の段階は歯の表面の唾液タンパク質と酵素層の発達です。その酵素とはグルコシルトランスフェラーゼとフルクトシルトランスフェラーゼです。細菌は引き付けられてミクロの集合体を形成し増殖し続けます。虫歯と歯周病に関連するバイオフィルムはコントロールが難しい。浮遊細胞をコントロールできる化学物質でも形成されたバイオフィルムに対して効果的ではない。研究者は歯の表面に細菌が集合体を形成するのを防ぐための付着防止化合物について研究しました。キシリトールはミュータンス連鎖球菌の成長と酸産生を阻害する非齲蝕原性甘味料として有望な分子と思われます。
フランスのボルドーにあるVictor Segalen大学の研究者は実験室でバイオフィルム増殖におけるキシリトールと生理食塩水の効果を比較しました。虫歯と歯周病の両方に関連する細菌はバイオフィルム中に増殖します。細菌にはミュータンス連鎖球菌、S sobrinus、L rhamnosus、A viscosus、P gingivalis、F nucleatumが含まれています。嫌気培養前に3つの治療と1つの対照群が提供されました。バイオフィルムサンプルの1つのグループは1%キシリトールを、もうひとつのグループには3%キシリトールを施しました。バイオフィルムの3つ目のグループは生理食塩水を施しました。バイオフィルムサンプルの4つ目のグループは何も施していない対照群でした。
生理食塩水を施されたバイオフィルムはバイオフィルムの厚みと細菌の増殖において対照群と変わらなかった。キシリトールを施されたバイオフィルムは凝集形成がなく4種類の細菌は全く産生されず残りの2つもかなり減少した。

臨床的意義

キシリトールは細菌によって引き起こされる虫歯によって産生される酸とバイオフィルムを形成する細菌の能力の両方を減少させる。キシリトールは虫歯と歯周病を予防する利点がある。

Badet, C., Furiga, A., Thébaud, N.: Effect of Xylitol on an In Vitro Model of Oral Biofilm. Oral Health and Preventive Dent 6: 337-341, 2008.