ぜん動運動は口から始まる
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2026.08.23 一覧

こんにちは。豊中(蛍池)の歯医者さん
小児歯科(子供)、妊産婦歯科健診も受診可能な【いけだ歯科】です。

ぜん動運動は口から始まる

小児歯科ではこんな有名な症例があります。
生後3ヶ月の赤ちゃんで重度の先天性の心臓疾患があり、生まれたときの体重も1900gしかありません。早く心臓の手術をしなければ手遅れになります。しかし、ある程度の体重にならないと手術ができません。ところが心臓が悪いので母乳をする体力がありません。そこで病棟では哺乳びんの乳首の穴を大きくし吸いやすくしました。しかし体力がないので、2~3分で疲れて寝てしまいます。仕方なく鼻からチューブを入れて栄養を補充するのですがそれでは思ったように体重が増えません。何か対策はあるのでしょうか?
生後3ヶ月まである吸てつ反射(原始反射の一つで4~5ヶ月頃から減少し6~7ヶ月頃に消失する。赤ちゃんの唇が、お母さんの乳首に触れると反射的にお乳を吸いますね。そこで手を洗い、小指で赤ちゃんの口をコチョコチョ刺激しました。すると眠りながらでも小指を吸い始めたのです。唇を動かす程度なら心臓に負担をかけないはずです。またチューブで栄養が入っていても、口が動けば赤ちゃんは自分で吸っている気になるはずです。チューブ栄養で満腹感は得られても満足感は得られないのですね。
余談①
お腹の手術のあと、ガスが出るのが良いと言われるのはなぜでしょうか?ガスが出るというのは腸が動き始めたと言うことです。腸が動くと言うことは食事をしても良いというサインです。
余談②
某婦人科病棟で帝王切開などの手術の後、早くガスが出るようにあることを試みました。食事の時にチューイングガムを10分間、噛んでもらいました。するとガスが出るのが半日早くなりました。口を動かすと内臓も動くのでしょう。
胃・結腸反射と言う言葉がありますが胃に食べ物が入るとその刺激で腸のぜん動運動が始まりトイレに行きたくなる反射です。
こんな症例もあります。
ある重度の障がい児に訓練をしようとしたら、急に嘔吐しました。2時間前に鼻からチューブ栄養をしたそうです。ところが、2時間たっているのその嘔吐物はまったく酸っぱい臭いがしなかったのです。臭いがしないと言うことはどういうことでしょうか?つまり臭いがしないということは胃酸が出ていないと言うことです。そもそも物理的に栄養分をチューブで胃に入れるだけで完全に消化・吸収されるものなのでしょうか?食べ物が口から入り消化・吸収され排泄される。この一連の流れには順番があります。まずは食べ物をよく噛んで、細かくした後(咀嚼)舌により喉の奥に送られ、ゴックンと飲み込みます。(嚥下)そして、ぜん動運動が始まり食道から胃へさらに腸へと送られます。口や舌が動くことで食道が動き胃が動き小腸が動き大腸が動く。さらに唾液が出ることで、胃液やほかの消化液も次々と出ます。このように口を動かすことがすべての消化器官の動きの引き金になると考えられます。
先程の赤ちゃんの話ですが赤ちゃんの口が動けば消化器官が動きます。そうすると消化・吸収も良くなるはずです。そこで母親に、鼻から栄養を入れるときに指で口を刺激しチュパチュパさせるようにお願いをしました。すると、その赤ちゃんはその後急激に体重が増えました。そして無事手術も成功し退院されたそうです。生まれたときの体重1500g以下の赤ちゃんは、お乳を吸う力が弱いので鼻から栄養を与えます。そこで半分の赤ちゃんにはおしゃぶりを与えたところ体重が増える報告があるそうです。
かつて多くの病院や高齢者施設で鼻からや胃に穴を開けて直接栄養を入れるので口腔ケアは必要ないと考えられていました。しかし住まいない家は早く傷むという言葉があります。同じように口も使わないとかえって汚れるのです。口が動けば唾液も出ますし汚れがたまりにくくなります。しかも口の中が汚れたままだと雑菌が繁殖し、それが肺に入り、「誤嚥性肺炎」を起こします。

いけだ歯科
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