こんにちは。豊中(蛍池)の歯医者さん
小児歯科(子供)、妊産婦歯科検診も受診可能な【いけだ歯科】です。
唾液の効果についてご紹介します。
動物はケガをすると傷口を舐めますよね?これは動物の本能なのでしょう。
それは唾液には傷口を消毒する成分が含まれているのです。
そこでこんな実験があります。バイ菌(ルテウス菌)を入れて濁った試験管に唾液を入れえると瞬時に透明になりました。
これは唾液中のリゾチームにより菌が壊されたためです。リゾチームは風邪薬や目薬にも入っています。
さて、日本では歯を抜くと化膿しないように抗生物質を出しますがモンゴルではよほど腫れない限り出さないそうです。
理由を聞くと口の中の傷は化膿しにくくて治りが早いとのことです。(抗生物質が十分でないことも考えられる。)
唾液1cc中のばい菌は約1億個、一方、皮膚の表面は1cm²あたり2000~3000個です。もし腕に骨にまで達する傷をしたらどうなるでしょう?大けがですよね?
しかし歯を抜くことは骨にまで達する傷ができることですからいかに唾液に守られているかがわかりますね。
リゾチームは唾液や涙などに含まれ、体の表面で病原菌の侵入を防ぎます。他にもラクトフェリンやIgA等も唾液に含まれ、感染を予防します。
傷口を舐める理由は他にもあります。
おもしろい実験があります。ネズミの背中を1センチ四方に切り1匹のみの場合と数匹のグループに分けて飼い、傷口の治り具合を比べました。
2日後、1匹ずつのほうは傷口の20%しか治りません。しかし、数匹飼ったほうは75%も治っていました。どうしてでしょうか?
1匹では自分の背中の傷を舐めることはできません。しかし、数匹の場合はお互いの傷口を舐めあっていたのです。
このことから、唾液には傷口を早く治す物質(上皮成長促進因子)が含まれていることがわかりました。
また、いろいろな発がん物質を唾液に30秒間漬けると発がん作用が低下します。「ペルオキシターゼ」という酵素の作用です。
よく噛めば唾液が出て「がんの予防」にもなるわけです。味は食べ物の味覚物質が唾液に溶けて感じます。舌がなめらかに動き、うまく発音できるのも唾液のおかげです。
また昔から、「よだれの多い赤ちゃんは元気に育つ」「唾液の多いお年寄りは長生き」と言われています。
虫歯予防についてのお話です。
砂糖を食べた後の歯垢のpHの変化をみると約20分間歯が溶けて元の状態に戻るのは1時間後になります。この中性に戻すのが「唾液の力」です。
こんな実験があります。pH7.0の水に塩酸を少し入れるとpHが2.3になりました。しかし同量の唾液(pH7.1)に入れてもpHは6.0までしか下がりません。
健康な方では水よりも1万~10万倍も強いのです。この力は食べ物を噛むときに出る唾液が特に強いのです。
しかし…最近の子供たちは唾液がたまらないのです。
原因の1つに食生活の変化と言われています。水やお茶で流し込み食べをしていると体は唾液を出す必要がありません。それに柔らかい食べ物は水分が多いですね。逆に水分の少ない食べ物を食べると唾液がたくさん出ます。同じ問題は高齢者にも…唾液が少ないので口が乾燥するのです。
「味がしない」「舌がひびわれ痛い」「入れ歯が歯ぐきにすれて痛い」「話しにくくなる」「口臭がする」
唾液を出す方法を実践しましょう
それは顎を動かすこと!耳の前には唾液が作られる耳下腺があります。口を閉じると唾液がたまり、開けると頬の筋肉に押さえれて出てくるのです。
よく噛むことで唾液が出るというわけです。もう一つは舌をグーっと前に伸ばしてください。戻すと唾液が出ませんか?
以前当院のブログで紹介した「あいうべ体操」が有効なわけです。
唾液をたくさん出すには「よく噛み」「よく話」顎や舌を動かすことです。
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