お口の中には200~300種類の細菌が存在しています。
たくさんいる菌の中でも、虫歯の一番の原因菌と言われるのが「ミュータンス菌」です。
食べ物に含まれる糖分によってミュータンス菌は活発に働き、ネバネバしたプラーク(歯垢)を形成します。
このプラーク(歯垢)には数え切れないほどの細菌が住み着いています。
プラーク(歯垢)が放置されると、ますます細菌は繁殖し、ミュータンス菌を中心とする細菌が糖分を分解し「酸」を産生します。
その酸によって歯の表面から「カルシウム」「リン」といった歯の成分が溶け出すこと「脱灰(だっかい)」つまり虫歯と呼びます。
食事をするとお口の中は酸性となって歯は溶けますが唾液によって溶けた歯を修復してくれます。
これを「再石灰化」と呼びます。「脱灰」と「再石灰化」のバランスがとれていれば、虫歯になりませんがお口の中が酸性に傾いている時間が長ければ「再石灰化」が追いつかず「脱灰」つまり虫歯になるのです。
①虫歯菌の数(幼少期にほぼ決まるといわれています。)
②唾液の分泌量と緩衝能(中和能力)
③食生活(特にショ糖の摂取頻度)
虫歯を発見するために以下のようなチェックを行います。
当然、穴があいている場合は明らかに虫歯とわかりますが、歯と歯の間の虫歯であったり、中に広がる虫歯は一目見ただけではわかりません。
そこで効果を発揮するのがレントゲンです。
ダイアグノデントとは、虫歯を測定または検知できる機器のことです。
歯面に665nmのレーザー光を照射することで起こる蛍光反射を測定し、隠れたカリエスや表層下カリエスを検出し、その状態を数値化します。
このレーザー光線は、最大2mmの深さまで到達し、健全な歯質には低い値が示されますが、カリエスを含め歯質が変化している場合には、高い値が示されます。
この機器によってできる限り健康脂質を残し、感染歯質(虫歯)を取り残さないように努めています。
虫歯治療とは「脱灰」してしまった再生不能な部分を除去し、新たな虫歯拡大を食い止め歯としての機能を回復させる治療です。
基本的に一度虫歯になってしまった歯が元の健康な歯に戻ることはありません。
少しでも早く発見し、すぐに治療を行えば、それだけ歯を長持ちさせることができます。
ですが、かなり早期の初期虫歯に関しては削らずにお口の衛生状態を強化することで、再石灰化を期待し削らないこともあります。
以前は虫歯は不治の病として「早期発見」「早期治療」を掲げていましたが現在では、「予防」の意識が高まりけずらなくてもいい場合がありますので歯科医師にぜひご相談ください。
虫歯が深くて神経まで達している場合には「歯内療法(根管治療)」を行った後に修復治療をしなければなりませんので治療期間がかかってしまいます。残念ながら削った歯は元には戻りません。
そして、虫歯を治しても、完全に治ったわけではなく、修復しただけなのです。
虫歯を取って、欠けた歯を修復して元の歯の形に戻して使えるようにしているだけなので、虫歯になったことのない歯に比べると虫歯が再発しやすく、健康な歯質が少ないので歯が割れるリスクがあることを認識していただかなくてはいけません。
今後、虫歯にならないようにするために毎日のセルフケアはもちろんのこと、クリニックで定期的に検診を受けることをおすすめいたします。
虫歯を除去した後の修復方法には以下の方法があります。
修復が必要な部分の位置、大きさによって適応症が異なります。
虫歯で保存が不可能となった場合は、放置することで細菌の温床になるため、抜歯をします。
欠損した部分には必要があれば機能回復のための治療を行います。