お口やあごが痛む原因は数多くあるように思えますが、大きく分けて2つしかありません。
1つ目は「プラーク(酸)」
ブラークは細菌から構成されています。その中でも「虫歯菌から出す酸」と「歯周病菌」によって歯や歯槽骨が溶けていきます。
また、酸性食品によっても歯が溶けることもあります
2つ目が「非機能的な力」
歯にとって最も重要な役割は「咀嚼」です。つまり物を噛む、咀嚼する時にかかる力のことを「機能的な力」といいます。
人間に限らず動物の歯は、そのような力に耐えられるように出来ています。
つまり「非機能的な力」とは、咀嚼時以外に働いている力の事を言います。
非機能的な力を引き起こす行為には、クレンチング、TCH、グラインディング、タッピング、異常嚥下、咬唇、咬舌、頬杖、寝相、また嚙み合わせのズレなど多岐にわたります。
「非機能的な力」の代表例
【1】クレンチング(くいしばり、かみしめ)
日常生活の中で、仕事(デスクワークから肉体労働まで)や家事やスポーツなど集中力を発揮することが多々あります。
その際には、我々はほとんどくいしばることで集中力を高めます。
大切なことではありますがあまりにも持続してしまうと顎口航空領域に大きな負担となります。
特に自覚していないことがほとんどですので中々気づきません。
強く噛みしめる
【2】TCH(上下歯列接触癖)
2004年にTCHという学術用語として正式に認められました。
これはくいしばっていなくても、ただ上下の歯を接触させている癖であり、この程度でも顎口腔領域に負担がかかるというものです。
実は、日中上下の歯がどのくらい接触しているか調べた研究があります。
咀嚼、発音、嚥下、会話、運動時など様々な局面で上下の歯がかなりの時間接触しているかと思われますが、ほとんどが一瞬接触しては離れての繰り返しなので合計すると1日約20分程度と言われています。
【3】グラインディング(歯ぎしり)
主に就寝時に上下の歯を擦り合わせる行為のことを言います。
自分の体重程度の力がかかっているとも言われていますので、毎日すれば確かに生体も壊れます。
これらの力が持続的にかかることによって歯、歯槽骨、顎関節を破壊することがあります。
ほとんどが無意識のため、自分ではやっていないと思っている方が大半です。
上下の歯のすり合わせ
【4】嚙み合わせのズレ
顎を動かす筋肉と歯の位置関係(かみ合わせ)に不調和が生じると、不必要な過度な力が生じ、生体にとって破壊的に作用することがあります。