舌は下でなく上に
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2014.03.08 一覧

お口がポカーンと開いている人の多くは口輪筋(唇のまわりの筋肉)が緩んでいることは想像できるかと思いますが舌筋(舌の筋肉)や咀嚼筋(物を噛むための筋肉)も衰えています。口呼吸の方の特徴を知ることで解決への糸口が見えてきます。

前回は、「口呼吸は万病の元」と題しまして口呼吸にまつわる問題についてお話しさせていただきました。
日頃、お口がポカーンと開いている人の多くは口輪筋(唇のまわりの筋肉)が緩んでいることは想像できるかと思いますが舌筋(舌の筋肉)や咀嚼筋(物を噛むための筋肉)も衰えています。
舌の動きを支える舌筋の衰えは、舌が口腔内(口の中)のどの部分に当たっているかを確認すると、すぐにわかります。口をしっかり閉じた状態で、皆さんの舌の先端は上の前歯の裏側、または舌の前歯の裏側にあたっている人が、おそらくほとんどではないでしょうか。
舌を正しい位置に収めるには、まず口を閉じた状態で、上の前歯の裏側の付け根に舌の先端を当てます。次に、そこから徐々に舌を上の方にずらしていき、ふれるとくすぐったく感じるシワのあるところ(口蓋皺壁)を通り抜けると、上部にカーブする柔らかい部分があるでしょう。この部分を硬口蓋といいます。
この硬口蓋に舌の表面がべったりとついている状態が、舌が正しい位置にあるときです。つまり、私たちの体は、このように舌で口腔内の空間をせばめ、唾液の蒸発を防ぐことで、口腔内の潤いを保ち、免疫(細菌やウイルスなどの病原体を打ち負かす働き)を保護する仕組みになっているのです。
これまで舌の位置が下がっていた人は、正しい位置をかなりきついと感じることでしょう。しかし、舌が正しい位置におさまっていると、寝ている間にイビキもかけません。
当然、歯並びにも影響を及ぼします。歯は、舌筋、頬筋、口輪筋に囲まれていますのでその筋力の調和のとれたところに歯は誘導されていきます。口が開いていれば前歯は前に出ますし、舌が口蓋にくっついていないと上顎の歯列が狭まってきますので小児であれば乳歯から永久歯に生え変わるときにスペースが不足してしまいます。
つまり、口呼吸に打ち勝つためにはこれらの筋肉を鍛えていく必要があります。

次回はその具体的な方法についてお話致します。